まずお伝えしておきたいことは、私自身がSEO業者に対策を外注した結果、お腹が痛くなるくらい後悔しました。
こんなことに時間をとられることになるなんてと泣きそうでした。
支払い額は50万以下と濁しておきます。SEO業者名も一切出しませんし、すでに依頼してしまった方が返金方法を探している場合には何も役に立たないと思います。ごめんなさい。
いま、SEO業者に何かしら提案をされていて採用しようか悩んでいる方(むしろ採用したいからこうやって情報を探しているのではないでしょうか)向けに少しでもお役に立てばと思い書きます。
かなり長くなってしまったので、目次から気になるところだけでも読んでみて下さい。
プロローグ
この記事を書こうと思ったきっかけ
効果のなかったSEO対策の契約で揉めたことで解決方法を探すために、“SEO詐欺”や“SEO訴訟”や“SEO返金”やらで検索しまくっていたときに一つの記事に出会いました。
SEO業者に35万円払ったが、最悪な結果となったのでブログをはじめました。本当にありがとうございました。:神戸Tシャツ製作所
ストーリー仕立てで読んでいるだけでも面白いので是非見に行っていただきたいのですが、概要としては「Tシャツ制作のwebサイトがSEO業者選びに失敗した」というお話しです。
そのSEO業者の内容が私のケースとそっくりで、社名は出ていませんが恐らく同一だろうと勝手に解釈しました。もしくはSEO業者の手法あるあるなのかもしれません。
さらにいうと申し込んだ経緯(というか心情)も似ていて、諦め方も似ていて(笑)超絶共感したわけです。
本業はTシャツ屋さんなので、御礼にいつかTシャツを発注したいと思います。
その後、もう一つの記事に出会います。
こちらはSEO業者で数年働いた方からのレクイエム的なブログで、オブラートに包みつつ会社の内情を綴っています。中には意外な話もあったりするのですが、とりあえずこちらも内容が面白いです。
他にも色々な悲鳴がネット上には溢れていましたが、上記2記事と悲鳴の違いは「悪徳SEO業者は存在するけど、自業自得だしこれからも精進します」というメッセージを感じ取れます。
超共感。
そうなんです。SEO業者に依頼したのは自分だし、ぶっちゃけ中途半端な知識だったからカモられたんです。
絵画販売と似ていて、偽物の絵を100万で売られても気づかなければ幸せですが、気づいたら腹が立つのと同時に自分の知識のなさも反省すると思うんです。
そして、私もお二方と同じように発信しなければと駆られるのでした。
特に読んでほしい人
今は検索情報や無料ツールのおかげで、独自ドメインのサイト立ち上げがうんと簡単になりました。
個人経営者やブロガー、フリーのwebデザイナーさんなどは、一人でサーバー契約からドメイン取得、サイト構築、サイト立ち上げ、運営と行っている人も多くいます。ベンチャー企業などは、担当者が一人でweb周りを任されることも多いでしょう。
私もそんな感じでweb作業全般を行い、ある程度の知識がありました。
しかも、コンテンツマーケティングについて勉強を始めて、SEO対策の重要さをひしひしと感じ始めているときにメール提案をうっかり受け止めてしまいました。
敢えて強い言葉を使うと、中途半端にwebサイトの知識を身に着けてきた方にこそ読んでいただきたいと思っています。
SEO業者とは何者か?
お断りしておくと、SEO業者は健全な企業も多いです。
尊敬するほど豊富な知識量や実績を持っている会社や担当者さんも多くいますし、過去に商談をさせていただいたことも多々あります。
SEO最適化を事業としているが・・・
ではSEO業者の善と悪を分けるとしたら?これが微妙なんですね。
SEO最適化の方法には色々あって、グレーゾーンなものもあります。しかしそれ自体は悪徳ではなく、サービスとして需要があるからやっているんです。
SEO対策方法は大きく分けて2つあります。
ブラックハットSEO
いわゆるひと昔前のSEO対策です。
パワーがあると言われている古いドメインを購入して、衛生サイト(サテライト)を乱立します。それを被リンク元として使用することで、SEOの外部対策サービスとして販売します。自演リンクと呼ばれるものです。
以前は効果が高かったのですが、現在はGoogleがアルゴリズムを大きく変更した影響で、一歩間違えるとペナルティを食らうリスキーな方法です。
ブラックハットSEOについては、アフィリエイターのなかじさんの記事がとても参考になります。
現在はブラックハットSEOも工夫がされており、自演リンクに見えない衛生サイトを用意しているようです。(関連する内容だったり、コピー記事を使用しない等)
ホワイトハットSEO
一言でいえば、Googleが推奨しているSEO対策方法だけを実施する=ペナルティ行為は一切行わない対策方法です。
ウェブマスター向けガイドラインにOKなことNGなことが網羅されていますので、見たことがないという方は一読をおすすめします。
悪徳SEO業者と呼ばれる会社はどちらもありえる
ブラックだから悪い、ホワイトだから安全とも言えないのが実際のところで、悪徳といわれる会社は「嘘のない範囲で色々なSEO対策をした痕跡を残す」んですよね。
SEO上位表示の結果を約束できなのは善悪関係ないので、結果が出るわけのない雑な仕事をされても後の祭りというわけです。
電話やメールでの新規営業は要注意
私の中で信頼できるかどうかの見分け方がSEO業者との出会い方です。
今回、泣かされたSEO業者はinfoメールへの提案からスタートしています。それから今まで1度も対面していません。
一方、過去に商談をしたSEO業者は「紹介のみ」「受け身のお問合せのみ」という会社さんでした。提案内容は明確で厚く、対面での提案必須でした。しかし、金額が年間で500万円以上で二の足を踏むパターンが毎回でした。
何故、新規営業で顧客開拓できるのか
電話やメールの新規営業なんて今時無視されるに決まってますよね。
私も含めて、どうして契約しちゃうんだろうと考えてみました。
- 検索結果やwebサイトの運営状況を見ると、相手の課題や知識量、予算感がなんとなく読める
- つまり、事前に確度の高い見込み客リストをweb検索から作れる
- 広告費のかけ方は、アドワーズ結果などで予測できるし、分析ツールを見ればさらに内側を盗み見ることができる
- web担当者は新しい集客方法を常に探していて、新規営業にも慣れている。情報収集程度に商談を受け入れる人もいる。
- つまり、営業の入り口である『話をきいてもらう』が突破しやすい
新規営業の効率を考えると、無作為に企業リストからメールを送り返信があったときだけ、対象サイトの中身を盗み見するのかもしれません。
SEO対策 営業提案のパターン
私が某SEO業者のメール提案に返信を行った後、電話のやりとりが始まりました。
下記が言われたことの一部です。
- 〇〇と検索してみてください。1位に表示されますね?これがわが社の実績です。
- 2年で〇〇円なので月に換算すると〇〇円です。(安いでしょ?という煽りがあったと思う)
- 通常〇〇円ですが、〇月末までなら〇万円値引きできます。
営業担当の方はどちらかというとおとなしい雰囲気で、終始丁寧でした。メールの返信が遅い(4日後とか)ときもありましたが、質問についても回答は来ていました。
SEO対策の提案から契約、納品までの流れ
新規営業で会話が成立したら、SEO対策のサービス提案が始まります。
サービス内容に問題はない
2014年ごろまでは、本当にひどいSEO対策内容もあったようですが、私がもらった提案は、いわゆる「自演リンク」でした。
恥ずかしながら当時は「被リンク購入はGoogleのペナルティ対象」ということを理解しておらず、まっとうなサービスだと思っていました。分からない分、色々質問しましたが丁寧に詳細を教えてくれた記憶があります。
ただ、それがブラックハットSEOであるという話し方はせず、「質の良いリンクを送る」という言い方だったのでwebマーケティングに疎い方は「良い施策なんだ」と誤解しますよね。
数字のコミットは絶対しない
元々私がweb通販出身だったため、「上位表示」よりも「売上げへの影響」をしつこく確認しました。
いまとなっては理解できていますが、SEO対策自体は「売上げへの影響」を直接与えられないじゃないですか?上位表示されても、商品や販売ページが魅力的じゃなければ売れませんから。
でも、SEO業者さんは「売上げが上がった顧客がいる」という良い情報をくれるのでこちらも良いように受け取ってしまっていました。
あの時の自分の都合のよさに腹が立ちます。
もちろん、上位表示の確約なんて絶対してくれません。もし口頭で「絶対3位以内にします」などと言われたら、時期と順位をメールでもらっておきましょう。
SEO対策申込書兼契約書と利用規約
「SEO業者 悪質」とかで検索してみると結構でてくるのが「契約書に書いてませんよね?」というセリフ。
私もこれを食らいました。
BtoBのビジネスとして信じられなかったのですが、顧客のために誠心誠意対応するという気概が彼らには感じられませんでした。
なので、どうしても契約したい場合は、契約書を交わす前にメールや電話で約束した内容があれば契約書に反映してもらってください。
営業担当とSEO実務担当が存在
これはまぁ普通の対応かなと思います。web系のサービスって幅広いので同じ会社でも役割分担を結構しています。
ましてや、営業担当は技術やノウハウを実践していないというのは常識なので、不思議に感じませんでした。
簡単な質問に応えて3か月待ち、URL納品
契約を終えると、どんな内容にしたいかヒアリングを受けて、そこから3か月で被リンクURLが納品されました。
サイトを開くと、確かに私たちのwebサイトへリンクされているのが確認できました。
が、正直ペライチで雑な内容だし、ソースコードを見ても特別工夫がされていることもないし、「これで良い影響が出るの?」と感じるものでした。
SEO対策を外注する前に
実際、SEO対策を依頼して半年以上経過をみましたが、100位以内に入ったキーワードはゼロでした。
でも、今思えば当然で私は内部対策をほとんど行っていなかったのです。(外部対策だけで上がると思っていた)
さらに、指定キーワードで上位表示されたとしてもそこから売上に繋がったかは微妙です。
webサイトに販売力はあるか
SEO対策を依頼したwebサイトは、販売に特化したページではありませんでした。
目的としてはお問合せを増やすことでしたが、指定キーワードで上位表示されたとしてお問合せに繋がるか実績のないサイトだったのです。
なので、すでにお問合せが発生しているwebサイトを持っていて「サイト閲覧者が増えれば売上が上がる」状況じゃない限り、SEOだけにお金をかけても意味がありません。
内部対策は十分行っているか
そして、そもそもSEOの内部対策をほとんどしておらずコンテンツ更新などもないページを使っていました。
外部対策が効果を発揮するのは、内部対策がある程度してあるし、し続けられるwebページなんです。
さらにいうと、SEOのために内部対策を行うと顧客のための優良コンテンツが増えるので売上を作れるwebサイトが自然と育っていきます。
こちらが優先なんです。
現状のSEO状況が理解できているか
SEO業者の指摘だけを鵜呑みにするのはとても危険ですし、SEOにお金をかけるのであればその前に理解しておくべきなのが自然検索流入のボリュームです。
そして、どのキーワードで流入しているのか、現状何位表示なのかというのはGoogleのツールで無料で確認ができます。
自分でもできることではないか
Googleのツールを使用して順位の確認まで自分でできれば、改善する作業もまずは自分たちでやって見た方が良いです。
簡単にできることとしてこんなことがあります。
- サイト内に誤字や脱字があったら修正する
- サイトマップを用意する
- 顧客が知りたい情報が不足していたら追加する
などです。webサイトの更新自体は外部に任せているということであれば、制作会社に相談しても良いでしょう。
更新作業内容に不安があれば、webサイト更新作業をフォローしてくれるタイプのSEO業者や制作会社がまずはおすすめです。
GoogleはブラックハットSEOを徹底排除しようとしている
何度も言いますが、自演リンクを行うのはブラックハットSEOと呼ばれるSEOの手法です。
ご存知の方も多いと思いますが、インターネット検索はGoogle社に管理されています。そのGoogleはブラックハットSEOは排除されるべきとしていて、ペナルティ対応などをしています。
一方で、必要なSEO対策も明確にしており、Googleに相談をすることも案のひとつとして提示されています。
SEO 業者を探す前に、賢く利用するために知っておくべきことを確認し、検索エンジンの仕組みについて理解することをおすすめします。まずは以下のページを参考にしてください。
Google Search Console SEO対策が必要なケースより
それでもSEO対策を外注するなら
それでも、ブラックハットSEO自体は違法じゃないし、自分でやるのは確かに面倒です。
上手くやればペナルティを受けずに検索上位表示の最短化ができるかもしれません。
現状とリスクを理解して、それでも外部に注文してみたいならこんなことに気を付けましょう。
契約書と規約書の徹底確認
もしSEO効果が全くなかった時にどうしたいかを想像しながら確認してください。
契約期間を短縮してもらい、長くても3か月ごとにしてもらいましょう。もちろんそれに応じた金額に値下げ交渉も忘れずに。
SEO対策は、早ければ数日で効果が出ます。
特に既存サイトであれば、すでにGoogleから認識されている可能性が高いので結果が出るのも早いです。これは私自身のサイトで経験済みです。
SEO業者がよく言うとされる「様子を見ましょう」はおかしいです。
1か月以内に順位変動が起こせるか確認してみましょう。出来ない場合は納得のいく理由も確認してください。
万が一、「内部対策のせいでSEO上位表示ができなかった」と言われることもあり得ます。
内部対策をこれまで通りにしたうえで、どのような効果が出せるのか確認しましょう。
口約束はNG、メールに残す
特別サービスや特別値引きなどを提案で受けたときは、必ず文書に残してもらってください。
また、解約についてのルールや支払い期限などについても全て書面で残すようにしましょう。
投げっぱなしにしない
SEO対策はスケジュールの把握が重要です。
SEO対策開始後にどのような変化が起きたのか管理する必要があります。
- リンク設置予定日の決定
- 順位の確認方法(SEO業者と管理画面とは別にサーチコンソールで確認する)
- 設置完了後定期的に担当者に連絡して順位確認と今後の対策PDCAを一緒に行う。
エピローグ
自分自身が忙しかったり、専門知識がなかったり、色々と限界を感じるから依頼を検討しているはずですが、実際はそれが失敗のもとになります。
そもそもSEO対策の方法が変わり始めている今、SEO業者自体が淘汰され始めています。
ユーザーにとって必要な情報を発信できるサイトを、コツコツ作り上げてください。
webmoもSEO対策サービスやってるけど
このサイトを運営しているwebmoでもSEO対策のお手伝いをしています。方法はホワイトハットSEOのみなので、時間もお金もかかります。
さらにお金をかけてもSEOで効果が出るかは、やっぱり不確実なんです。
推奨しているのは、SEO対策のために社内でサイト更新ができる環境を整えることです。
便利なツールや親切なwebマーケティングのサイトが無料で見れますから、web担当者を社内で強化してみてください。
SEO対策の外注は、SEOに詳しい人を育ててから。
私も精進します。
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